税金・社会保険関連の年間スケジュール

ここでは、3月決算会社を例に、一般的な会社で想定される通年の税金・社会保険関連の流れを記載します。

なお、年間の税務、社会保険手続で重要なことは、手続の仕方よりも、手続があることを失念しないことが重要です。

この点、当事務所では、相談料無料の会員様に、毎月の税務、社会保険手続を配信しています。相談料無料の会員にご興味ある方は、相談料無料の会員募集についてをご確認ください。

5月

法人税・消費税・地方税(住民税・事業税)の申告納付期限

申告期限は、決算日後2カ月以内です。

このため、3月決算法人の申告納付期限は、5月末となります。
また、税務署等へ申告期限の延長を届けている場合は、申告期限は1か月延長され、6月末となります。

なお、上記届け出により、申告期限は延長されますが、納期限は延長されません。

このため、納期限である5月末から納税した日まで、利息である利子税(令和5年は0.9%)が発生します。

この利子税を避けるためには、決算日後2カ月以内に納税額を見積もり、5月末までに見込み金額を納付しておく必要があります。

6月

住民税特別徴収額の変更

1月に提出した給与支払報告書の情報から、その年の5月ころ、役員や従業員が居住する市区町村から、住民税(個人)の特別徴収税額の決定通知書が送られてきます。

この決定通知書に記載の金額を、6月から翌年5月までの給与支給時に各人の住民税を徴収します。

徴収した住民税は、徴収した月の翌月10日までに市区町村ごとにまとめて納付します。

役員報酬の改定

役員報酬は、会社の利益に応じて毎月自由に変動させたいところですが、原則として、税務上は、毎月同額の役員報酬を支給しないと、役員報酬を損金に計上できません。

しかし、改定した役員報酬の損金算入が認められる年1回のタイミングがあります。

それは、期首から3カ月以内に改定が決定された場合です。

このため、実務上、役員報酬の改定は、3月決算、6月に定時株主総会を開催している会社を例とすると、以下の流れになります。

6月の定時株主総会において役員報酬の改定を決議します。役員報酬の金額は、会社の利益予測、個人の所得税率、会社もしくは個人の資金需要等を考慮して決定します。

そして、6月もしくは7月より、改定後の役員報酬を12か月間、毎月同額支給します。

7月

源泉所得税の納期特例

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を提出している場合、1月から6月までに給与や退職手当、税理士等の報酬・料金の支払い時に預かった源泉所得税を7月10日までに納付します。

納期特例を申請していない場合は、徴収月の翌月10日までに毎月納付します。

労働保険の年度更新

労働保険は、労災保険と雇用保険の2つから成りたちます。

労災保険は、労働者の業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して必要な保険給付等を行うもので、労働者一人でも雇用すると、労災保険に加入する必要があります。

雇用保険は、失業された方や教育訓練を受けられる方等に対して、失業等給付を支給するもので、原則として、以下にあてはまる場合に加入します。

  1. 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  2. 31日以上の雇用見込みがあること

そして労働保険に加入している会社は、毎年、労働保険の年度更新という手続が必要です。

労働保険の年度更新手続により、前年4月1日から当年3月31日までの労働保険料を確定し、差額を精算し、かつ翌期の概算保険料額を納付します。

労働保険年度更新申告書は、6月1日から7月10日までの間に、労働局又は労働基準監督署に提出します。申告書の提出と同時に、労働保険料・一般拠出金を納付する場合は金融機関に提出し、同時に納付することができます。

健康保険・厚生年金保険の定時決定(算定基礎届)

健康保険料・厚生年金料は、標準報酬月額に料率を乗じて算出されます。

このため、実際の給与額と標準報酬月額が大きく変動しないよう、7月1日に在籍している役員、従業員の3カ月間(4月、5月、6月)の給与額を算定基礎届により届出し、標準報酬月額を決定し直します。

決定し直された標準報酬月額は、原則として、9月から翌年8月までの各月に適用されます(給与から差し引く社会保険料の金額訂正が必要です。)。

算定基礎届は、毎年7月10日までに事務センターもしくは管轄の年金事務所に提出します。

8月

特にないですが、8月~11月は税務調査が多く行われます。

税務署から調査の連絡があった場合は、税務調査に必要な書類を準備し、事前事後を含め税務調査対応をします。

11月

法人税、地方法人税の中間申告

前事業年度の法人税を6カ月換算した金額が10万円を超える会社は、法人税、地方法人税の中間申告をする必要があります。

3月決算会社の場合、申告納付期限は、中間期9月末から2か月後の11月末までに中間申告書を提出し、法人税、地方法人税を納付する必要があります。

中間申告の方法は、予定申告(前事業年度の法人税額を6カ月換算した金額をもって予定申告書を作成して提出する)の方法と仮決算による中間申告(中間期を年度とみなして年度の確定申告書と同様に中間申告書を作成して提出する)の方法があります。

仮決算による中間申告は、原則として通常の確定申告書と同様に作成するため、事務手数が生じます。

しかし、当期の売上が伸びず、好調であった前事業年度の法人税額を前提とするよりも、当上期までを仮決算して申告した方が、納税額が低くなり、資金繰りが確保できる会社などに有効です。

地方税(住民税、事業税)の中間申告

法人税の中間申告が必要な場合、地方税の中間申告も必要です。

法人税の中間申告が不要な場合、原則として、地方税の中間申告も不要です。

3月決算会社の場合、申告納付期限は、中間期末である9月末から2か月後の11月末までに中間申告書を提出し、地方税(住民税、事業税)を納付する必要があります。

地方税(住民税、事業税)も法人税と同様に、予定申告の方法と仮決算による中間申告の方法があります。

消費税の中間申告

前事業年度の消費税の年税額が48万円を超える場合、中間申告をする必要があります。

前事業年度の消費税の年税額が48万円超400万円以下の場合、中間申告が1回必要となり、3月決算会社の場合、申告納付期限は、中間期末9月末から2か月後の11月末までに中間申告書を提出し、消費税を納付する必要があります。

なお、消費税の場合、中間申告が1回とは限りません。前事業年度の消費税の年税額が400万円超4800万円以下の場合、中間申告は年3回必要となり、4800万円超の場合、中間申告は年11回必要となります。

消費税も法人税と同様に、予定申告の方法と仮決算による中間申告の方法があります。

12月

年末調整

役員や従業員に給与や賞与を支払う都度、所得税を源泉徴収していますが、年末調整手続により、配偶者・保険料・住宅借入金などの控除事項を反映させ、年間(1月1日~12月31日)の所得税額を算出します。

そして、年末調整手続により算出された年税額と、既に徴収した源泉徴収税額との差額がある場合、12月もしくは翌年1月の給与支払時に、差額を返還もしくは徴収します。

このため、年末調整手続きに間に合うように、役員・従業員から以下の書類を回収しておく必要があります。

  1. 給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書(前年提出された今年度分の更新と来年度分の2年分)
  2. 給与所得者の保険料控除申告書(ある場合のみ)
  3. 住宅借入金等特別控除申告書(ある場合のみ)

1月

源泉所得税の納期特例

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書を提出している場合、7月から12月までに給与や退職手当、税理士等の報酬・料金の支払い時に預かった源泉所得税を翌年1月20日までに納付します。

納期特例を申請していない場合は、徴収月の翌月10日までに毎月納付します。

給与支払報告書

前年1月1日~12月31日に支払った役員報酬、給与、賞与について、その者が今年1月1日現在住んでいる市区町村に、個人別明細書と各人別の明細書をまとめた総括表の2つの書類を提出します。

提出期限は1月末です。

法定調書

法定調書とは、税務署に提出が義務づけられている資料をいいます。法定調書は全部で60種類あり、提出期限も様々なのですが、大半の会社で作成が必要となる法定調書が、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書」です。

「給与所得の源泉徴収票等の法定調書」は、前年1月1日~12月31日に支払った

  1. 役員報酬、給与、賞与
  2. 退職金
  3. 税理士等への報酬・料金
  4. 不動産の家賃や更新料
  5. 不動産購入の仲介手数料
  6. 不動産購入対価などの各人別の支払調書
    とそれらを集計した
  7. 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

を税務署に提出します。

提出期限は1月末です。

償却資産税申告書

1月1日現在所有している償却資産(建物附属設備、器具備品、機械装置など)の内容(取得年月、取得価額、耐用年数等)について、1月末までに償却資産の所在する各市区町村に申告します。

償却資産の所在する各市区町村における課税標準額が150万円(免税点)未満の場合には課税されません。

提出期限は1月末です。

2月~3月

来期の節税に向けた調整

決算期末である3月末に近づくにつれ、精度の高い利益予測、税金予測が算出できます。

会社の状況を確認し、効果的な節税策がないかを検討します。会社を強くする節税策があれば、必要に応じて実行します。

消費税の届出

簡易課税の届出、消費税課税期間特例選択の届出など、消費税の届出は事業年度末までに届出し、翌期から開始されるものが多いです。

消費税は節税の余地が大きい税金であり、留意が必要です。

申告期限の延長

法人税、地方税、消費税の申告期限の延長を申請する場合、事業年度終了の日までに申告期限の延長申請書を提出し、申告期限を延長します(通常の会社は1か月)。

4月~5月

決算確定と申告書作成

決算日後2カ月以内(延長申請している場合は決算日後3カ月以内)に確定申告書を作成し、提出する必要があります。

上記期限に間に合うよう、決算を確定し、確定申告書類一式を作成します。

健康保険料率、介護保険料率の改定

毎年、全国健康保険協会より、3月分(4月納付分)から適用される健康保険料率及び介護保険料率が公表されます。

2月分の料率から改定されている場合、給与から差し引く健康保険料、介護保険料の訂正が必要です。

固定資産税(償却資産税)の支払

固定資産(償却資産)が所在する市区町村から、4月から6月にかけて、固定資産税(償却資産税)の納税通知書及び通知書が届きます。

納税は年4回に分けて納めるか、年1回で一括納付します。

支払時期は、所在する市区町村によって異なり、初回の支払いは4月から6月です。

なお、東京都23区の年4回の納期は6月、9月、12月、翌年の2月です。

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